- かり
- I
かり(助動)助動詞「けり」の上代東国方言。
「家の妹(モ)が着せし衣に垢(アカ)付きに〈かり〉/万葉 4388」
〔終止形しか用例がみられない〕IIかり【上り・甲】〔動詞「上(カ)る」の連用形から〕日本音楽で, 音高を標準よりも高めにすること。 多く管楽器, 特に尺八でいう。⇔ 減りIIIかり【仮】〔「借り」と同源〕(1)正式なものに代えて, 間に合わせに行う物事。「~免許」「~祝言」
(2)本当のもの, 本来のものでないこと。「~の名前」「~の姿」
→ 仮にIVかり【借り】〔「借る」「借りる」の連用形から〕(1)借りること。 また, 借りたもの。 特に借金。(2)相手から受けて, 報いなければならないと感ずる利益・恩恵。 負い目。 または, 恨み。「一つ~ができた」「この~は必ず返す」
(3)「借り方」の略。⇔ 貸しVかり【狩(り)・猟】(1)野生の鳥や獣をとること。 猟(リヨウ)。 狩猟。 ﹝季﹞冬。(2)犯罪者などを捜索し, つかまえること。「暴力団~」「山~」
(3)自然の中に分け入って, 野草や貝などをとったり, 花やもみじを観賞したりすること。「きのこ~」「潮干~」「桜~」「紅葉(モミジ)~」
〔(2)(3)は他の語の下に付いて用いられ, 「がり」と濁る〕VIかり【雁】(1)〔鳴き声からという〕ガンの異名。 ﹝季﹞秋。 《一行の~や端山に月を印す/蕪村》(2)ガンの鳴き声。「声にたてつつ~とのみ鳴く/後撰(秋下)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.